新型うつ病と向き合うドクター【心の病気を治し隊】

海と女性

特徴と今後の動向

医者

理解されづらい特徴

従来の鬱病は、自分を責めることが多く、どの場面においても調子がすぐれないというものである。最近は認知度も上がり理解されるようになっている。しかし、新型うつ病(非定型うつ)に関してはそうではない。新型うつ病は、自分の心がのらない場面においてのみ、調子が悪くなるという特徴がある。つまり、職場などフォーマルな場においては調子が悪くなるが、プライベートな場面、遊び・趣味の時間・遊興ではいきいきとした姿を見せるのである。その姿を見れば、「仮病」「わがまま」「自分勝手」と捉えられてしまうに違いない。気分の浮き沈みが激しいのもの特徴で、性格のせいのみの問題としてとられてしまうことも多い。しかし、MAOI(モノアミン酸化酵素阻害剤)が大きな効果をもたらすことを考えると、セロトニン・ノルアドレナリンの異常であることは間違いない。非常に周囲に理解されづらいうつ病なのである。調子の悪さについては、具体的には「過眠」「過食」「異常なだるさ」「人に対して過敏になる」「不安感」「激しい怒り」といったものがある。いつも眠そうで常に食べている。そして、何かささいなことでも注意すると異常なほど興奮し、「キレる」態度をとるのである。周囲の人々は確かに「扱いづらい」と感じるだろう。しかし、実際には本人は自信ではコントロールできない状況であり、心身共に本当につらいと感じているのである。そのことに加えて、周囲に理解されないきつさでパニック状態になり、悪循環に陥ってしまう。

今後の方向性

新型うつ病を発症する前は、優秀で人に気を遣うことのできる優秀な人材であるとして扱われている場合が多い。幼い時から厳しく叱られることもなく社会人になり、そこで、注意を受けることで大きな衝撃を受けてしまうことが発症の引き金になるということは言われている。また、核家族化により育児方法の継承が難しくなり、「ほめる育児」「しからない子育て」が極端に誇張されることも多い現代において、激しく叱られた経験を持たない者は更に増えていくだろう。「新型うつ病」の原因の一つとして、親の影響が挙げられている。特に母親が幼いときに十分なコミュニケーションを取り、愛着関係を構築していなければ、子供の脳にも影響を与えるのである。現代は情報機器の発達により、親も子供もインターネットと向き合うことが多くなり、コミュニケーションは今後減っていくことが予想される。子供を抱えた母親がスマートフォンに集中していたり、あやす道具に使う場面さえもみられる。だからといって、社会の中で「ストレス」が減らせるかというと難しいと言わざるを得ない。「ハラスメント」が意識され始めてるが、人と人が接すれば、価値観の相違が生まれるのは避けられない。どうしても多少の摩擦は出てしまう。それが上司と部下という立場になり、ある程度の利益や成果を求めるのであれば、注意する場面は必ず出てくる。今後は、病気に関する認知度をあげるとともに、周囲の人も本人もアサーションスキルを取り入れるなどしていく必要がある。